セブンスコード:X7 が不安定 とはどういうことか? #2

さて、前回の続きです。

ここで念を押しておきますが、
「不安定」とは「不協和」とは違います。
「"終止感のある(安定した)和音"に進もうとする性質」
です。

では、4声の各種のコードに"完全x度"を始めとする各種の「度(degree)」が
どのように含まれているか見てみましょう。
4声の和音は4種類に分類できました。
その各々について、その性質を見ていきましょう。


[各コードはどういう音程差(度数:degree)からできているか:
4声の場合]


4-1)major7th コード
完全1度 + 長3度 + 完全5度 + 長7度

例: ド・ミ・ソ・シC,E,G,B CMaj7

majorコード(3声)は安定しているコードでした(3-1)。
これに長7度(この場合はB)が乗るとどうなるか。
CとEと同様、 GとBは長3度です。これは安定した音程差といえます。
さらに、CとGと同様、EとBは完全5度です。
EとBも半音7個の音程差があります。したがって完全5度。
(E major scale =ホ長調の音階;E F# G# A _B_ C# D#)
major7th コードは2つの完全5度(安定した音程差)を持っています。
したがって、major7th コードは安定しているといえます。

別の見方として、
Cから長3度上に乗っている上部3声は、ミ・ソ・シE,G,B です。
これは Em です。すなわち安定したコードです(3-2)。
したがって、やはりこの見方から行っても、maj7は安定しているということができます。

4-2)minor 7th コード
完全1度 + 短3度 + 完全5度 + 短7度

例;レ・ファ・ラ・ドD,F,A,C Dm7

minorコード(3声)は安定しているコードでした(3-2)。
これに短7度(この場合はC)が乗るとどうなるか。

DとAは完全5度です。
(D major scale = D E F# G _A_ B C# )
また、FとCも完全5度です。
(F major scale = F G A Bb _C_ D E )
minor7th コードにも2つの完全5度(安定した音程差)を持っています。
他の音程差はどうか?
DとF, AとCは共に短3度です。これも長3度ほどではないですが安定した音程差といえます。
したがって、minor7th コードはまぁまぁ安定しているということになります。

別の見方として、
Dから短3度上に乗っている上部3声は、ファ・ラ・ドF,A,C です。
これは Fmaj です。すなわち安定したコードです(3-1)。
したがって、やはりこの見方から行っても、m7はまぁまぁ安定しているということができます。


4-3)minor7th flatted5th
完全1度 + 短3度 + 減5度 + 短7度

例;シ・レ・ファ・ラB,D,F,A Bm7b5(Bm7-5)

3声の和音で出てきた減三和音(diminish chord)=完全1度/短3度/減5度(3-3)の変形がこれです。
BとFは?、3-3でやった「半音6つ分=減5度(または増4度)」ですね。ルートとの間に減5度を持つ、ということは、土台からしてしっかりしていません。
DとAは、これは完全5度です。ここは協和しています。
この和音は、土台がしっかりしていない上に安定した和音が乗っている、中途半端な位置づけの和音と言うことになります。


ついでに言いますと、
ダイアトニックコード(長音階や自然短音階上に現れるコード)ではありませんが
Bdim(シ・レ・ファ・ラbB,D,F,Ab )
というのもあります。もう1つ短3度を積み重ねたものです。
これはさらにラがb(フラット)しているため
減5度が2つ含まれています。完全x度はありません。
まさに不安定ということになります。
余談ついでですが、ジャズ、ポップス等で「ディミニッシュコード」というと
この4声のものを指すのが普通です。


4-4) 7thコード
完全1度 + 長3度 + 完全5度 + 短7度

例;ソ・シ・レ・ファG,B,D,F G7

さて、3声の和声には登場しなかった、4つ目の和声の登場です。

majorコード(3声)は安定しているコードでした(3-1)。これに短7度が加わるとどうなるのか。

土台としては、長和音と同じですから、安定しています。
GとDは完全5度ですし、
(G major scale = G A B C _D_ E F#)
GとBは長3度、BとDは短3度です。

この長和音に乗っかる4つ目の音、Fですが
DとFも短3度です。ここまではまずまずといったところでしょうか。

さて、BとFはどうでしょう?
3-3で見たとおり、
半音6つ分、減5度(または増4度)ですね。
この半音6つ分、減5度(または増4度)は、減三和音(3-3)と同様に
7thコードに特殊な性格、すなわち
何か他の和音に進まないとこのままでは終わった感じがしない
という性格を与えています。

では「何か他の和音」とは何か?
その代表が5度下のmajorコード
(例; G7 の5度下のC major,あるいはCmaj7などでも可)です。
このB(シ)とF(ファ)は
それぞれ B->C と半音上がり, F ->E と半音下がることによって
完全5度(CとG)や長3度(CとE)といった安定した響き(前述)から成る
Cmaj7、すなわち、終止感を持つ、響きの安定した 和音に
進行しようとする性質を持つわけです。

更に、上3つの音、即ちシ・レ・ファ=B,D,Fに注目してみましょう。これは
Bmb5、減三和音(diminish chord)=完全1度 + 短3度 + 減5度
です。
3-3で見たとおり、かなり不安定な訳です。
こういう不安定な音程を、X7は内包している、それが故にX7は、不安定というか、次にどこかに進んでからじゃないと安心できないというか、そう言う性質を持っているのです。
ここで、Bmb5 も、G7も、Cmajに進行するという例を挙げました。
これは決して偶然ではありません。Bmb5 と G7 が共通に持っている「FとB」という減5度(増4度)=三全音(tritone) が、Cmajの持つEやCに「解決」したがっているのです。

この
"「解決」したがっている"、すなわち
"終止感を持つ、響きの安定した 和音に進行しようとする性質を持つ"
という性質が、
7thコード(属七の和音)の特徴であり、長和音や短和音との決定的な差です。


3声の和音は3種類(長和音、短和音、減三和音)しかありませんでした。
4声の和音にはもうひとつ、この「7thコード(属七の和音)」があり、
これが「進行しようとする性質を持つ」が故に
コード進行上で重要な役割を担うのです

なお、この
属七の和音:dominant 7th から
完全5度下のコードへ
解決する(3-3参照)
コード進行
を、「完全終止」とか「ドミナントモーション dominant motion」と呼びます。

例:G7->Cmaj
(長調の主和音に解決)
E7->Am
(短調の主和音に解決)
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  by mtack | 2005-12-09 06:07 | musik

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