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II-Vにおける各Lydian某scaleは、いったい何者で、コードトーンに対してどういう意味を持つのか


本は買ったものの、それを待っている間にも色々考えてたのでその内容のまとめ。
Lydian某scaleの「mode X」とは、という話の続き。

各コードタイプに対してLydian某スケールを充てるやり方は色々あって(基本系と変化系)、
かたや「Lydian某scaleのX度の音をルートにする」ことを「mode X」という。
具体的にはどういうことなのか、即ち
各Lydian某scaleは、いったい何者で、コードトーンに対してどういう意味を持つのか。
ここでは、II-V の場合で考えてみたい。
要は、当該コード、および、行き先と想定されるコードに対して、何らかの親和性があるのかないのか、どの程度近い/遠い音列となるのかを一度見極めておきたい訳だ。
当該コードとの親和性はV7を基準に考える。

Bm7 / E7 ( Bm7-5 / E7-9 を含む)を例に取り考える。行き先は一応 A rootのコードと想定する。

[[凡例]]
度数
R:root/P;完全/M:長/m:短 テンションとして捉えるものは適宜9度以上で表記;b;減/+(#);増
インターヴァル; _;半音/--;全音/^;3半音
スケール名は適宜選択して表記

[[ Bm7 mode vi / E7 mode ii ]]
D Lydian (A major / F# natural-minor / B Dorian / E Mixo-Lydian ) _D--E--F#--G#_A--B--C#_
==E7に対して; b7--R--M2--M3_P4--P5--M6_
D Lydian-augment (B melodic-minor = Bb Altered = E Lydian b7) D--E--F#--G#--A#_B--C#_
==E7に対して; b7--R--M2--M3--#11_P5--M6_
D Lydian-diminished (A haromonic Major ) D--E_F^G#_A--B--C#_
==E7に対して; b7--b9_+9^M3_P4--P5--M6_
D Lydian-b3 (F# harmonic minor = C# HmP5↓) D^F_F#--G#_A--B--C#_
==E7に対して; b7^b9_M2--M3_P4--P5--M6_
D Lydian-b7 ( A melodic-minor = B Dorian-b2 = E Hindu = Ab Altered = C Lydian-Augment ) D--E--F#--G#_A--B_C--
==E7に対して; b7--R--M2--M3--#11_P5--M6_b13

やはりこの充て方が最も順当というか、insideな結果となるらしい。
自分がこの方法論に惹かれた最初の動機が、実はこの確実な「inside感」なのだ。

[[ Bm7-5 mode #iv(b5) /E7-9 mode vii]]
F Lydian (C major / A natural-minor / B Locrian / E Phrigian ) F--G--A--B_C--D--E_
==E7(-9)_に対して; b9--+9--P4--P5_b13--b7--R
F Lydian-augment (D melodic-minor = Db_Altered = A Hindu) F--G--A--B--C#_D--E_
==E7(-9)_に対して; b9--+9--P4--P5--M6_b7--R_
F Lydian-diminished (C haromonic Major ) F--G_G#^B_C--D--E_
==E7(-9)_に対して; b9--+9_M3^P5_b13--b7--R_
F Lydian-b3 (A harmonic minor = E HmP5↓=C_Major+5) F^G#_A--B_C--D--E_
==E7(-9) に対して; b9^M3_P4--P5_b13--b7--R_
F Lydian-b7 ( C melodic-minor = B altered = Eb Lydian-Augment ) F--G--A--B_C--D_Eb-
==E7に対して; b9--+9--P4--P5_b13--b7_M7-

前の括りに対して短3度上に充てていることになるので、結果も短3度上になる。即ち同名調の音列を活用することになる。コードの成り立ちから言って当然といえば当然だが、前の括りが長調に対してinsideなのに対し、この例では短調に対してinsideになるといえよう。
この中で最もinsideに響くのは、A Natural minor を前提とするF Lydianか、或いはA harmonic minor を前提に E HmP5↓として機能する F Lydian-b3(これが最もboppishに思える) であろう。

[[ Bb7 mode ii =E7 mode #v ]]
G#/Ab Lydian (Eb major / C natural-minor ) Ab--Bb--C--D_Eb--F--G_
==Bb7に対して; b7--R--M2--M3_P4--P5--M6_
==E7に対して; M3--#11--b13(+5)--b7_M7--b9--+9_
G#/Ab Lydian-augment (F melodic-minor = Bb Lydian b7 = E Altered ) Ab--Bb--C--D--E_F--G_
==Bb7に対して; b7--R--M2--M3--#11_P5--M6_
==E7に対して; M3--#11--b13(+5)--b7--R_b9--+9_
G#/Ab Lydian-diminished (Eb haromonic Major ) Ab--Bb_B^D_Eb--F--G_
==Bb7に対して; b7--b9_+9^M3_P4--P5--M6_
==E7に対して; M3--#11_P5^b7_M7--b9--+9_
G#/Ab Lydian-b3 (C harmonic minor = G HmP5↓) Ab^B_C--D_Eb--F--G_
==Bb7に対して; b7^b9_M2--M3_P4--P5--M6_
==E7に対して; M3^P5_b13(+5)--b7_M7--b9--+9_
G#/Ab Lydian-b7 ( Eb melodic-minor = F#/Gb Lydian-Augment =F Dorian b2 = Bb Hindu ) Ab--Bb--C--D_Eb--F_F#--
==Bb7に対して; b7--R--M2--M3--#11_P5--M6_b13--
==E7に対して; M3--#11--b13(+5)--b7_M7--b9_M2--

E7に対し、裏コードのBb7を適用するという前提。
G#/Ab Lydian-augment以外は全てE7に対して長7度Ebを含むことになる。これの是非は演奏者の判断次第、ということか。

  by mtack | 2006-02-19 19:26 | musik

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